「十字路の物語」は作者「こばひばこ」による書き下ろしオリジナルコミックです。
この度アナログ版「十字路の物語」を完全デジタル化し、本の風景社のご協力を得て出版されました。
現在ではない、そして過去でも未来でもない独特の世界で繰り広げられるストーリーは、ファンタジーとも違ってどこか日本人の心のルーツともつながり共感できる物語となりました。
人が人としてささやかな幸せな生活を送る、そんな当たり前のことのためにいつしか十字路市に人々は集まって来ます。
良い人間もいれば悪い人間もいて、多くの人が集まればそれだけ多くのトラブルも発生します。
そして中には、そのような人の困り事を黙って見ていられない者たちもいるのです。
「十字路の物語」はそんなおせっかいで、でも正義感の強い老若男女が街の万屋
(よろずや) に集い、気がつくと世のため人のために命をかけて活躍をする、そんな物語です。
その万屋 (よろずや) の表には、こんな看板がかかっています。
「お困りごと、よろず相談応じます」
とてもデジタル化されたとは思えないアナログな雰囲気、その一方でやはりデジタルならではの表現、そして何より「こばひばこ」が作った世界観をお楽しみください。
第1話 「十字路の物語」 →
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十字路市で万屋 (よろずや) を営む
エンのもとに、最近街を買いあさっているトトリという胡散臭い集団の噂が届きます。
そんなおり、役所勤めのまるっきり存在感のない
オルニエス (保護色) が、土地の不正に市長が関わっているのではないかと疑い、万屋 (よろずや) に調査を依頼してきます。
万屋 (よろずや) に出入りする
まっすぐ、
キラ、
辻風、
御魂屋はさっそく調査を開始します。
ところが市長の家に潜入した
まっすぐは、トトリの手にかかり囚われの身となってしまいます。
街ではトトリによる通りの破壊が始まり、
キラの友人のいいとよが瓦礫の下敷きになってしまいます。
月夜見が
まっすぐの救出に向かいますが、発見された
まっすぐは右手の拳を潰されていました。
市民たちの恐怖と怒りはピークに達し、万屋 (よろずや) のメンバーたちもトトリとの対決を決心します…。
第2話 「楽園」 →
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「楽園はきっとどこかにあるんだよ」
念術師のファジャーは平和に暮らせる楽園を求めて十字路市に流れ着きました。
ファジャーと知り合った
キラは、ファジャーの過去に何かとてもつらい出来事があったことに気がつきます。
ある日、
辻風が用心棒をしているスクジットという男を見かけたファジャーの顔色が変わります。
どうやらファジャーの不幸な過去は、スクジットが原因となっているようです。
スクジットに「あなたを殺す!」と宣言するファジャー。
一方、
辻風に「ファジャーを殺してくれ」と頼むスクジット。
キラの依頼で、万屋 (よろずや) も真相を調べるために動き始めます。
十字路市のお参り広場の緊張は高まります…。
第3話 「花代」 →
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雪見屋で一の君として名を馳せた花雪。
そんな花雪に下働きとして仕える田舎者のパレフォを追って、大陸からヴィーケという婚約者
(いいなづけ) が十字路市にやってきます。
路地で悪者にからまれているヴィーケを救った
ジュナと
キラはヴィーケに働き口を紹介しますが、彼女は無理がたたって倒れてしまい、万屋
(よろずや) で看病することになりました。
事情を聞いた
御魂屋は
エンに相談し、万屋 (よろずや) の仕事としてパレフォを探すことになります。
ところが、やっと見つけたパレフォは、華やかな花雪との生活にすっかり魅せられてしまい、ヴィーケのことなど見向きもしなくなっていました。
暇つぶしのためにパレフォをからかっていた花雪と、そうとは知らずにヴィーケを苦しめてしまったパレフォ。
花雪の差し金で男たちに蹂躙され、その結果命を落とすことになったヴィーケを腕に抱き、
月夜見の怒りは爆発します…。
まっすぐ
万屋 (よろずや) のただ一人の住み込み店員。
古物の取引から雑用、家事にいたるまで何でもこなしている。
意外と堅気指向で、万屋 (よろずや) を立派な古物屋にしたいと考えており、エンにはもう少しきちんと商売をしてほしいと思っている。
エン・ネーライ
万屋 (よろずや) の主人。
以前は政府関係の仕事をやっていたが、引退後に思いつきで古物屋として万屋
(よろずや) を始めた。
古物の知識はまったくなく、いつの間にかなんでも屋が本業になる。
キラ
十字路市の「使い走り組合」に所属するれっきとした使い走り。
街の細々とした用事にはなくてはならない便利な存在である。
おとなになると組合からは脱退し、自分で別の職を探さなくてはならない。
万屋 (よろずや) にもちょくちょく出入りして、細かい仕事を手伝っている。
ジュナ (=月夜見)
「三日月親方の組合」に所属する芸人。
ある事件をきっかけとして、仕事をする際には月夜見という別の姿になる。
物事に対してクールな一面がある。
もちろん男である。
月夜見 (=ジュナ)
ジュナが芸人として仕事をする時の姿。
琴弾きであるが、腕は十人並み。
か細い身体に似合わず、意外と武闘派である。
御魂屋 (みたまや)
オルヌツ教の僧侶。
昔は由緒ある寺にいたが、ちょっとしたもめ事が武力闘争にまで発展し、追い出されてしまった。
寺との和解後も、自由な暮らしが捨てられず十字路市に落ち着いている。
こう見えても医学、言語学の権威である。
保護色 (ほごしょく) / オルニエス
市役所に勤めているが、出世コースからはとっくに外れている。
情けないほど存在感がなく、まったく目立たない。
役所の書類を盗み読みする癖があり、しかも一度読んだものは決して忘れない記憶の天才である。
ある事件で万屋 (よろずや) に相談したことをきっかけに皆の知恵袋となる。
辻風 (つじかぜ)
出処不明の剣の達人。
用心棒や借金の取り立てをして暮らしており、仕事がない時ももっぱら博打に明け暮れている。
そのため、やくざな世界に顔がきく。